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PARCO 55th ANNIVERSARY | FM5局とのコラボにて、パルコとゆかりのある豪華ゲストとともに55年間の歴史を振り返る。渋谷パルコ、池袋パルコ公開収録レポート

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PARCO 55th ANNIVERSARY | FM5局とのコラボにて、パルコとゆかりのある豪華ゲストとともに55年間の歴史を振り返る。渋谷パルコ、池袋パルコ公開収録レポート | Parco Cruise| PARCO(パルコ)
PARCO 55th ANNIVERSARY | FM5局とのコラボにて、パルコとゆかりのある豪華ゲストとともに55年間の歴史を振り返る。渋谷パルコ、池袋パルコ公開収録レポート | Parco Cruise| PARCO(パルコ)

2024年11月23日に開業55周年を迎えたパルコ。記念として、FMラジオ放送局「JAPAN FM LEAGUE」に加盟した北海道から九州までのFM5局との連動企画「PARCO RADIO WAVE」を実施。「Re:メモリーズ」というテーマのもと、パルコの長きにわたる歴史を振り返るにふさわしい豪華ゲストを迎え、渋谷パルコ 9階「DOMMUNE」、池袋パルコM2F「HIS The ROOM of journey IKEBUKURO」にて公開収録を行った。

Photo
Ruka Kashiwagi
Text
Yoshiko Kurata

Index

パルコが試みてきた新たな消費体験

渋谷パルコでは、11月15日の夜 4時間半にわたり、ライブストリーミングチャンネル「DOMMUNE」とJ-WAVE「TOKYO M.A.A.D SPIN」のスペシャルコラボレーションが実現した。

各番組のホストである宇川直宏氏と高木完氏による軽快なトークで幕を開けた。まずは55周年の特別企画として、今年デビュー55周年を迎えた細野晴臣 ×生誕88年である田名網敬一×田名網氏の一番弟子である宇川直宏によって制作された「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を紹介。 幼少期からはっぴいえんど・YMO、そして現在に至るまでの貴重な細野氏の写真が隅々までコラージュされた歴史的曼荼羅とも言えるビジュアルを解説した。「お祝いでもあり、レクイエムでもある」一枚として、宇川氏はパルコそして田名網氏への想いを馳せる。

そしてトークは、1969年にアーティスト・山口はるみ氏が制作した池袋パルコの広告から、1974年から9年間にわたりパルコ出版から発行されていた渋谷タウン誌「ビックリハウス」へ。60年代〜70年代当時のことを振り返りながら、高木氏は「パルコはモノからコトへの消費体験を初めて試みた場所だった」と当時のセンセーショナルな体験を語る。続けて「高度経済成長期でモノが溢れすぎた時代以降を見据えて、セゾングループを立ち上げた堤清二が掲げたのが『脱大衆文化』。情報を売るという姿勢で1973年にできたのがここ渋谷パルコだった」と宇川氏が当時の時代背景を話した。

パルコにカルチャーを学び、一緒に遊んでもらった記憶

その後もパルコにまつわる数々のカルチャースポットを列挙しながら、ゲストを迎える前に、高木氏がどうしても紹介したかったというCM「宿愚連若衆艶姿(ヤサグレテアデスガタ)」を上映。アートディレクターに石岡瑛子氏、メイクにイラストレーターのペーター佐藤氏という豪華キャストによって1980年に制作されたビジュアルに改めて感動するふたりのもとに、バースデーケーキを持ちながら登場したのがひとり目のゲスト・小泉今日子氏。なんと収録日当日は、高木氏のバースデーでもあるということで「めで鯛」ケーキでお祝い。

小泉氏とパルコの接点は、『おかしな2人』や『いやおうなしに』を始めとするパルコ劇場での作品出演から。本人曰く、学生時代に通っていたというパルコへの印象は「大人の文化を知るために背伸びして来る場所」とのことで、89年に渋谷パルコで実施された「デニスホッパー展」で実際に本人に会えた思い出を笑顔で語った。なかでもホスト含めて3人が通っていた場所が「WAVE」。80年代〜90年代の音楽シーンを牽引した伝説的なレコードショップだ。 同時代のパルコのCMの数々を振り返りながら、3人が特に注目したのが、72年にアートディレクター・石岡瑛子氏が手がけた「生きる人に敏感なPARCO」という印象的なコピーのCM。出演している子どもは、小泉氏の楽曲『Fade Out』(1989年)のMVを手がけた、エッセイスト/メディアプロデューサー・羽仁未央氏だったことが、偶然にも収録現場でわかり、一堂驚きの表情を見せた。

「カルチャーに触れながら、一緒に遊んでもらった記憶がパルコにはある」とさまざまな広告CMから当時を思い返す小泉氏。「パルコは公園のようなものだもんね」と呼応する高木氏に合わせて、「実際にいまの渋谷パルコ屋上の一区画は渋谷区の公園として利用されているよね」と宇川氏が補足。そこにさらにかぶせるように小泉氏が「実は…来年、屋上の公園で朝っぱらから遊ぶ予定なんだ」と最後に笑顔を見せて、次のゲストへバトンタッチした。

 小泉今日子 / 高木完

メディアとしてのパルコ

ふたり目のゲストとして招いたのが、小山田圭吾氏。 19年にリニューアルオープンした渋谷パルコの屋上にてライブを行ったコーネリアスのライブ映像を本邦初公開したのち、高木氏の写真プレート付きのケーキを持って小山田氏が登場。小山田氏も、なんとパルコ開業69年と同じ生まれ年ということで全員でアニバーサリーをお祝いした。

小山田氏のパルコへの思い出は、中学生の頃から。渋谷周辺に住んでいたことから当時からよく通い、高校を卒業しても渋谷「シードホール」でアルバイトをしていたこともあり、絶えず渋谷パルコとの接点はあったのだという。
そんなゆかりのあるパルコとの仕事は、94年の池袋パルコ別館「P’ PARCO」のオープンCMをはじめに、翌年の1周年記念「P' PARCO 1st ANNIVERSARY」の広告出演、そして00年以降もコーネリアスとしてライブ出演するなど紹介しきれないほど。
「『P’ PARCO』がオープンした頃の95年はインターネット元年、つまりオルタナティブがオタクに吸収され始めて従来の『サブカルチャー』が変化し始める時代だった。その後、時を経て2014年には池袋パルコに『ニコニコ本社』がグランドオープンしてる流れも面白いよね」と当時から今にかけてのインターネットによるカルチャーの変遷を語る宇川氏。「そう思うとパルコには必ず、DOMMUNEもしかり収録スタジオが入ってるよね。93年から『TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオ』もあるし」という小山田氏に対して「伝えるというより、渋谷の街全体をメディアにしたいというくらい放送することにも常にパルコは熱を持ってるよね」と高木氏も振り返る。

その後、80年代にゲイリー・ニューマンやチャック・ベリー、ジェームス・ブラウンが出演したパルコのエッジが効いたCMの数々に盛り上がり、最後は2023年に渋谷パルコ50周年を記念したコーネリアスとDOOMUNEのコラボレーションライブの映像を流しながら、DJタイムへ。転換途中には、まるで同窓会のようなアットホームな楽屋で、ケーキ2つを囲みシャンパンで乾杯。
独自のスタイルで国内外の人気を博してきたファッションブランド「ヒステリックグラマー」。池袋パルコと名古屋パルコにも店舗を構え、今年はなんとブランド創設40周年というアニバーサリーイヤー。デザイナー の北村信彦氏は、BIG BANGをはじめにK-POPなど好きな曲をかけ、祝福ムードをより一層盛り上げた。「P’ PARCO 2nd ANNIVERSARY」のCMや2001年グランバザール広告に出演するなどピチカート・ファイヴとしてパルコと数々のゆかりを持つ、小西康陽氏(ex.PIZZICATO FIVE)。DJブースからフロアに出て観客と一緒に楽しむなど、グランドバザールのCMをサンプリングしたプレイで一夜を締めくくった。

 小山田圭吾 / 宇川直宏  北村信彦  小西康陽

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