アートディレクター石岡瑛子による渋谷PARCOオープン広告。情熱的な赤いドレスをまとった力強い女性とシンプルアな白いシャツを着たソフトな男性を対照的に表現した広告は、これまでの男女の役割や、価値観が変化しつつある時代感を捉えたものだった。
渋谷PARCOが新しい文化圏を渋谷で形成する上で核となる施設として西武劇場(現PARCO劇場)が誕生。気鋭の舞台人らによる刺激的な作品をパルコがプロデュース・発表した。
タウン誌として出発した『ビックリハウス』は、読者参加型の誌面づくりが人気を呼び、カルチャー雑誌として成長。当時、人気を博した、一般から募ったパロディ作品を審査する展覧会『日本パロディ展』(写真)も誌面の人気企画から生まれた。
渋谷PARCOパート1の裏から「井の頭通り」へと下る坂道。1974年に渋谷PARCOで『イタリアンフェア』を開催した際、「イタリアがあるならスペインもあってもいいんじゃないか」という発想が基になり、「スペイン坂」と名づけられた。
ファッションの細分化が進む中、ニッチで個性的なファッションへのアプローチとしてDCブランドの集積フロアが作られた。セール時には多くの男性が並び、男性のファッションへの意識が高まっていった。
PARCOのファッションとカルチャーのシンクタンク組織「ACROSS」によるマーケティング冊子。テナントオーナー向けの『パルコレポート』(1974年)から始まり、1993年に「流行観測ア クロス」、2000年にはウェブマガジン「ACROSS」として展開。
1980年「日本グラフィック展」が始動、イラストレーターやフォトグラファーの発掘を目指す。その後「日本オブジェ展」も立体作品を公募。審査員には浅葉克己、栗津潔、操上和美、山口はるみらが名を連ね、受賞者には日比野克彦、大竹伸朗、タナカノリユキ、ヒキタクニオなど世界で活躍するアーティストを輩出。
毎月、渋谷、原宿、新宿で同時に実施しているフィールドワーク。流行の「先が読みにくい」と言われ始めた時代、テナントの売上分析に加え、街の主役である「消費者」をミクロな視点から研究しようと考案された。
スポーツ、サウンド、インテリア、雑貨などを集積し、暮らしを豊かにするライフスタイルを提案する館、渋谷PARCOパート3がオープン。アフタヌーンティーを楽しむイギリスのライフスタイルを提案した「アフタヌーンティールーム」の1号店が出店したのも渋谷PARCOだった。
自動車やバイク、オーディオ、映像機器など男性のこだわり消費に向けたメカニック、ハードの提案の場としてSR6が登場。ル・マン24時間レース優勝を記念したモータースポーツフェアやアンティークバイクの展示・即売会などを行った。
渋谷PARCOパート3オープンと同時に多目的スペースとして「スペース・パート3」が誕生。映像、パフォーマンス、展覧会など、国内外の新しいカルチャーの発信拠点として機能した。以降、パルコギャラリー、パルコミュージアム等、アート企画、イベント企画スペースが登場していく。
個性的なライフスタイルを求める若者たちの嗜好の変化を捉え、ニューカマー、サブカルチャーの新鋭などが次々とステージに登場する渋谷クラブクアトロがオープン。オーバーグラウンドとアンダーグラウンドのつなぎ目の役割を担う。
高感度セレクトブックショップ、パルコブックセンターがオープン。アートやカルチャー専門誌、洋書を充実させ、クリエイティブな人々に向けて提供。隣接部にはロゴスギャラリーを併設し、アンティークブックの展示・販売や学術的な企画展、出版記念写真展などを行った。
『日本グラフィック展』からスタートした公募展は、立体作品を公募する『日本オブジェ展』へ派生。1992年に2つを統合した『アーバナート展』がスタートした。地方審査も行い「アートの甲子園」とも呼ばれるように。20年間の総応募数は62,774点にのぼる。
「スペイン坂」を上った渋谷PARCOパート1の1Fに、東京FMのサテライトスタジオとして渋谷スペイン坂スタジオを開設。ガラス張りの公開スタジオには出演する多くのゲストが登場。ビッグネームも数々登場し、一目見ようと代々木公園へ向かう道までファンが並ぶこともある。
実験的な映像作品の公開などを行っていたスペース・パート3を引き継ぐ形で「世界中のエンタテインメントを提供する」ミニシアター、シネクイントが渋谷PARCOパート3にオープン。こけら落とし作品の『バッファロー'66』が大ブームを引き起こした。
「スペイン坂」の入り口に高感度ライフスタイル提案ビル、渋谷ZERO GATEをオープン。国内外のハイセンスファッションや雑貨を提案するセレクトショップ、コンセプトカフェ・レストランをオープンさせるなど、渋谷の昼と夜を楽しめるビルとした。
渋谷PARCOパート3・7Fアートスペース、パルコミュージアムがオープン。国内外の熱気あふれるアートシーンを紹介し、ス ペース・パート3、パルコギャラリーのコンセプトを引き継ぐ。 数々のフォトグラファーの写真展も展示し、こけら落としは巨匠 篠山紀信氏の写真展だった。
東京初登場のショップを含む全80店舗がオープンし、ファッション、雑貨、インテリアを階ごとの異なったコンセプトに基づき展開。上層階ではパルコミュージアムを1フロアに設置し、映画館シネクイントと共に文化発信を強化した。
事業基盤として「インキュベーション」を掲げているPARCOならではの取り組み、女性クリエイターの祭典『シブカル祭。』がスタート。毎年、渋谷PARCOを舞台に、次世代を担う100名以上の女性クリエイターが思い思いの表現を発表してきた。
2019 2021-2014年度より、クリエイティブ・コンテンツ領域全般のプロジェクトをサポートし、生活者と共にイノベーティヴな挑戦を世に送り出すため、クラウドファンディング・サービス「BOOSTER」を開始。パルコのノウハウを活かし、WEBとリアル(店舗)の両方からプロジェクトを応援する。
一時休業の最終営業へ向け「Last Dance_キャンペーン」を展開。広告は箭内道彦氏がクリエイティブディレクター、井上嗣也氏がアートディレクター・デザイナー、渡辺潤平氏がコピーライターを担当。最後の10日間には豪華アーティストによる展覧会や「渋谷公園通りメモリアルパレード」を開催し盛大に盛り上げた。Photo by: ©FASHIONSNAP
渋谷PARCOの建替え工事期間中、街の賑わい創出の為、美術演出が行われた。日本を代表する漫画家・映画監督の大友克洋氏の代表作で2019年を舞台にした『AKIRA(アキラ)』と、コラージュアーティストの河村康輔氏と共同で制作し、国内外で話題に。Photo by: ©TAKAMURADAISUKE ©MUSH•ROOM/KODANSHA